オントロ Photoblog

カメラ(Fujifilm X-PRO2), バイク(XJR1300)

デジタル時代のカメラ選びで、重要なこと (2. 用途を決める、センサーのサイズ)

この記事は、新たにデジタル一眼レフを購入しようと考えている人、買い替えを検討している人には、役に立つかもしれません。

前回は、カメラ選びのコンセプトについて書きました。自分がカメラに求めることを具現化すること、もし可能ならば、実際にカメラに触れて、扱ってみること。そして、自分の最初の炎を大切にすること。

一眼レフとミラーレス一眼

機構的な説明は省きますが、ミラーレス一眼は軽量。一眼レフは重いが、AF追従性能(動くものにピントを合わせる性能)がミラーレスよりも優れている。

そもそも「レフ」とは、光を屈折させるもののこと。カメラはレンズから光を受け取りますが、ファインダー越しにレンズに写る物体を見るためには、レンズの光を屈折させる必要があります。「一眼レフ」には、光を屈折させてファインダーに届けるための「プリズム」や「ミラー」が入っているので、その分重くなっています。
一方、ミラーレス一眼は、レンズに入った光をそのまま電子ビューファインダーに表示させます。プリズムが入っていないので軽いですが、一眼レフに比べて電池消費が激しいうえ、動き物には弱いです。
しかし、撮影時にカメラで設定するフィルターや画像設定が、電子ファインダーにそのまま反映されるため、写真の仕上がりを意識しやすく、また、普通のデジタルカメラと同じような感覚で操作できます。

センサーサイズ

センサーとは、カメラが光を受け取る部分のことです。受け取った光は、画像エンジンを通じて電気信号化されます。
このセンサーのサイズによって、一眼レフは大きく3つに分類されます。大きい順に、フルサイズ・APS-Cマイクロフォーサーズです。
また当然、一眼レフだけでなく普通のデジカメや携帯のカメラにもセンサーは入っていますが、サイズが上3つに比べて小さいので、背景のボケや画質のシャープさなどは、一眼レフより劣ります(APS-Cセンサー搭載のスマホが発売されるという噂もある)。


以下、センサーサイズごとの特徴を見てみましょう。

フルサイズ

センサーサイズ:24mm×36mm

最も普及した35mmフィルムがもととなったセンサーサイズ。
ほとんどが、プリズム搭載の一眼レフです。SONYだけが、ミラーレス+フルサイズの機種を出しています(αシリーズの上位機)。

特徴
・高画素高画質化がさらに進んでいる
・ボケがとてもよく出る
・カメラボディ・レンズともに高価(特に、望遠側で顕著)
・重量がネック

風景写真で大いに力を発揮します。また動物を遠くから撮影するのにも適しています。あらゆる場面で万能。プロカメラマンの使用率が高い(らしい)。確実な仕事をしてくれますが、対価として重く、そして高価なものです。

APS-C

センサーサイズ:23.4mm×16.7mm

このセンサーサイズは、各カメラメーカーから多様な製品が出ています。エントリー機から上級機まで揃っており、たびたびフルサイズと、そして異なる会社同士で性能を比較されます。最初の一眼レフとしては、まずこれを勧められます。

特徴
・安価なモデルも多く、気軽に参入できる。
・フルサイズと比較して、レンズが安価(フルサイズ対応レンズはこの限りでない)
・最も多くの一眼レフメーカーがこの規格を採用しており、競合製品が多い。メーカーごとの特徴を把握することが求められる。センサーサイズ同じといえど、写りや”機能”はメーカーごとに全く違う。
・自分が、どんな機能が欲しいかで考えるといいかも。


なお、種類は少ないですが、レンズ交換式でないカメラのうち、APS-Cセンサーを搭載しているカメラがいくつかあります。1台持っておくと、サブ機として、役に立つかもしれません。

マイクロフォーサーズ(4/3型)

センサーサイズ:17.3mm×13mm

オリンパスパナソニックが採用している規格。両社では、レンズに互換性があります。
センサーサイズとしては、APS-Cよりも少し小さい程度。センサーを小さくした分、望遠がやりやすくなっています。ネコ動物写真家で有名な岩合光昭氏が使用していることで有名。動物写真に、明るい(そしてなるべく小さく軽い)望遠は必須ですから。

また、現行機種は全てミラーレス。

特徴
・カメラ本体が小型・軽量化傾向
・レンズは、比較的安価
・望遠が強みだが、広角が苦手
・(オリンパスパナソニック)強力な手ブレ補正機構がある

(参考)デジタル中判カメラ


フルサイズよりもさらに大きいセンサーを備えています。現在、一般消費者向けに生産しているのはPENTAXFUJIFILMのみ。

特徴
・ヤバいくらいの高画素・高精細画像
・ヤバいくらいの高画質・ボケ具合
・ヤバいくらい高いお値段
・レンズレパートリーは多くない
・センサーサイズの割にはそんなに重くない

全紙引き伸ばしプリントなどしない限り、一般消費者にとってはオーバースペックなのではないでしょうか。データサイズも、JPEG1枚で40MB以上(!)になるようです。これを持ち歩いて、壁にぶつけたり落としたりなどしたときの精神的ダメージも40MB以上になるようです。

「憧れは、近づかずに憧れのままでとっておくのがいいのさ...」

どう選べばいいんだ...

・どれもいいんだよ!!金さえあれば全部ほしいよ!!
・いちばんは自分の用途・撮影スタイルを知ること。だが、カメラを持ってからスタイルが定まったり、はじめて自分のスタイルを知ることもある.何度も量販店に通い、実機を触りまくれ!

・「重さ」「大きさ」は意外と重要。ただし、多少重くても、小さければ許容できるところはある。

デジタル時代のカメラ選びで、重要なこと (1. カメラ選びのコンセプト)

この記事は、新たにデジタル一眼レフ購入を考えている人、買い替えを検討している人には、役立つかもしれません。

デジタル一眼選びにおいていちばん大切なのは、自分の経験と直感を信じることだと思います。よって、情報を集めることと、実際に触って確かめることは必須と考えます。
また、どのカメラ・レンズが適しているのかというのは、人によって、用途によって全く異なります。
ここに書いてある情報だけをうのみにせず、いろいろなところを参照してみてください。メーカーによっても得意分野があり、オールマイティなキャノン、動く物体に強いニコン、堅牢なPENTAX...いろいろです。


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(...新しいカメラ、どうしようかなあ。うわあ、考えたら発狂しそうだ)

何をもってデジタル一眼を選択するのか

今まで使っていたPENTAX K-S2にも、ひとつだけ、いただけない点があった。それは、他の一眼レフにも共通することなのだが...


ゴツくて、
大きくて、
重い。

(3つあるじゃねーか)

カメラは、毎日持ち歩くものか、それとも伝家の宝刀か。

一眼レフカメラ(プリズムあり)において、カメラ本体やレンズの重さと写りの良さは比例する。完璧な写りを求めるならば、重さを度外視して、大口径レンズやフルサイズ機といった重いものを使う。「大きくてデカいほうが映りがいい」(そこ!男性の大きさに詳しいフロイト心理学がどうどか言わない!)これは正しいことだ。
たとえば200mm望遠レンズだと、小型なものだと300-400gから、大型なものは重量5kgを超える。しかし、それをわざわざ使う理由が必ず存在する。

これが曲者なのだが、映りがいいのと、常時持ち歩くのとでは、また別問題なのだ。
ヨーロッパ旅行において、それは如実に表れた。

写りには満足している、だが、重いのだ。

日差しが差し込んでシャッターチャンスだ。だが、重いのだ。

あの路地裏に何かあるかもしれない。だが、重いのだ。

お土産を買いたい。だが、重いのだ。

シャッターを押すまでのタイムラグが、だんだんと苦痛になってくる。構図やら何やらを考える余裕さえ奪われる。ボディとレンズで1kg近くあるものを首から下げて歩くのは、普通ならばいいのだが、長い距離を歩きながらやるとなると、疲れるものだ。

けっきょく自分は、重いカメラを使いこなせないことがわかった。
もちろん、リュックサックに機材をぜんぶしまい込むという方法もある。旅行中、友人は、超広角・18-135ズーム・単焦点レンズの3本、そして折り畳み三脚を、肩掛けカバン・防水リュックと併用して仕舞っていた。カメラ本体は、雨天時のみリュックにしまう。全て合わせると、かなりの重量になるはずだが、彼の話によると「これくらい普通」なのだそうだ。うぅ...尊敬する。

かたや自分も、18-50, 50-200のズームレンズをショルダーバッグに入れていたが、後者はほとんど出番がなく、旅行の途中からは、望遠レンズはスーツケースで眠っていてもらうことになった。


そして気付いた。私は、重いカメラを持ち歩くことに向いていない。だが、カメラは毎日持ち歩ければと思っている。せっかくいいカメラを買ったのに、持ち歩かずにしまっておくのはもったいないと考えた。
要は、いつも出会う日常風景を、携帯のカメラじゃない方法で撮りたいのだ。撮影枚数は、多いと思う。どのような状況であっても(雨や雪が降ろうが、砂塵が舞おうが)持ち歩けるカメラがあればいいなァ...と、思うようになった。
この場合は、重さだけでなく、大きさも問題になってくる。大きすぎず小さすぎず、映りがいい、そして、軽さこそ正義ッ!そんなカメラを渇望していた(あるのかなあ)。


実際にカメラを持って、出掛けてみなければ、分からないこともある。
しかし、自分に適したカメラを考える際に、重要なものがいくつかある。
ひとつは、重さと大きさが撮影用途に見合ったものであるか。もうひとつは、自分の撮影スタイル。そして、カメラのデザインを自分が気に入るかどうか。

ここでは、デジタル一眼を購入するにあたって重要なものだけを挙げる。そして、購入する際には、この3つを十分に考えてから購入すれば、確実だと考えている。

買い替えを決意

この気付きを契機に、自分の中で何かが変わったのだと思う。

帰国後、K-S2を買ったのと同じ電器屋を冷やかしに行き、カメラコーナーでいくつか実機を触ってみた。そんな中、FUJIFILMのミラーレス一眼であるFUJIFILM X-T1(現在は後継機 X-T2が出ています)の軽さ・映り具合・触り心地に、

惚れてしまったのだ。
惚れてしまったのだ。
惚れてしまったのだ。
惚れてしまったのだ。

K-S2を購入した昨年時点で、ミラーレスは眼中になかった。俺の眼は一眼だったのだ
しかし、映りを確かめると、これがまたよい。それは別としても、軽くて小さい。防塵防滴。フォルムも、触っていて満足がいくし、形も好きだ。あ、ミラーレスという選択肢も、ありだな。

軽さと画質を考えるならば...

いいんじゃね?これ。

ということで、次の日から、家電量販店に通い、パンフレットとにらめっこする日々が始まった。

最終的に、いくつかの機種で迷いながらも、FUJIFILMのミラーレス・X-PRO2を中古で購入するに至りました。
特に軽量で写りの良いカメラを志向したので、マイクロフォーサーズとは最後まで比較していました。


FUJIFILM ミラーレス一眼 X-Pro2 ボディ X-Pro2

FUJIFILM ミラーレス一眼 X-Pro2 ボディ X-Pro2


きょうの結論

1. カメラを決めるにあたっては、自分の経験と直感から入っていけ!
2. 最初の炎を大事にすべし(もちろん、サイフの中身とも要相談)
3. 自分がいちばん気に入ったもの・スタイルを具現化せよ(カメラ性能は青天井、カメラはスペックのみにあらず)
4. 「重さ」「大きさ」は、人によっては重要なファクター。筆者は、購入してから気付いた。使わずにほこりをかぶるのは、避けたい。

以上!


次は、カメラと交換レンズの個性を決める「センサーサイズ」(フルサイズ・APS-Cフォーサーズ)について書きます。

さらば愛しのPENTAX K-S2

名機、PENTAX K-S2

昨年8月に、はじめて本格的な一眼レフを購入しようと思い立ち、近くの電器屋にて約80000円で購入したのが、PENTAX K-S2だった。
撮影すると、今までのデジタルカメラとの画質の違いにまず驚いた。時を同じくして、PENTAX信者の友人と共に写真を撮りまくった。当時は車を持っていたので、カメラを載せて各地へ出掛けた。大洗にも行ったし、ヨーロッパにも引っ提げていった。
トップの、帽子を被った怪しい男の写真は、友人に撮ってもらったものだ。購入してから8000枚近くを撮影したが、晴天時の描写の美しさは、とても満足のいくものだった。


ペンタックス・ブルー」という言葉がある。ペンタックスは、青系の発色に優れるという比喩だ。晴天時、露出を下げたときが真骨頂、風景写真などは、満足のいくものができる。


PENTAX K-S2は、人にお勧めできるカメラだ。現在はレンズキットでも中古なら4万円台後半から購入できる。安価で、なおかつボディ防塵防滴、2000万以上の画素数と、風景写真にはとてつもない威力を発揮する。最初に購入した本格的な一眼レフとしては、たいへん満足だった。

この度、手放す運びとなりました


さようなら...





















さて、なぜこれほどの名機を手放すに至ったのか、そしてよりよいカメラ選びとはなんなのか、次回以降書いていきたいと思います